ダイエタリー・ヒーリング研究会の

はじまり


ダイエタリー・ヒーリング研究会は、育児・介護・仕事・家事と忙しい生活を送りながらも心身のトラウマや健康問題に悩み、それを日々の食事で改善したいと望むかたのために、2014年3月から試験的に開講した連続講座が前身になっています。この連続講座の参加者は徐々に増え、最終講義に出席したかたの大部分は、毎月顔を合わせて顔見知りになったリピーターでした。

 

授業の内容は、ゲルソン療法の知識と、キャサリン・アレクサンダー氏が書いた『DIETARY HEALIHG』にヒントを得たものでした。アレクサンダー氏の恩師、ローレンス・プラスケット博士の生化学的知識が受け継がれたテキストは、現代人の病理を合理的に分かりやすく解説するものと、参加者の間で評判になり、翌年以降の継続的な講座も期待されるようになりました。講座で得た知識を実践に移したかたの中には、体の健康だけでなく、心の健康状態の回復も同時に経験するかたが出てきました。

 

『DIETARY HEALIHG』は、イギリス出身で、現在はオーストラリア在住のキャサリン・アレクサンダー氏(神学博士、自然医学高度専門士、ゲルソン・セラピスト)が執筆し、提唱する、家庭での食事を中心にした健康回復プログラムです。キャサリンは、かつて、プロの音楽家としてヨーロッパ中を旅しコンサートに出かける忙しいキャリアウーマンでしたが、最初の夫との結婚契約が一方的に破棄されると同時に文字通りの一文無しになり、二人の子供たちとも経済的な理由から引き離され、心身ともにどん底の日々を送っていました。当然、上質なものは口にできませんでしたが、何を食べても健康を回復できずにいた時、もともと学ぶことが好きな彼女は1980年代にロンドンで生化学者ローレンス・プラスケット博士(ケンブリッジ大卒)が開講していた「栄養医学」の授業に参加しました。「栄養医学」は「自然医学」の一部で、「自然医学」は「バランスの回復」により健康を取り戻そうとする医学です。プラスケット博士のもとで栄養医学を修め実践に移したキャサリンは、自身の健康のみならず、彼女を頼ってくるクライアントの健康回復もサポートするようになりました。良きパートナーにも巡り会い、自然医学高度専門士として経験を積んだ後、自然豊かなオーストラリアに渡り、パートナーとはお互いに自立し、依存しない、素晴らしい夫婦生活を送りながら、現在も世界中から訪れるクライアントにダイエタリー・ヒーリングを教えています。

 

人類の長い歴史のなかで、私たち人間はいつの時代も「健康で平和な暮らし」を望んで生活してきました。同時に、私たちは、「健康で平和な暮らしを支える食」を探求し、文化として発展させてきました。21世紀に入り10年以上が経ち、「健康で平和な暮らしを支える普遍的な食」をなんとか見出し、実践したいという要求は、かつて無いほど強くなっています。しかし、情報は多様化し、整理することが難しく、満たされている人がいる一方で、情報に振り回されて困惑する人もまたいるのが実際です。商品としての食品や健康食品が増えても、それを取り入れる私たちの心身には、社会的にも個人的にも、新たな時代の病理が生まれ、体のメカニズムや代謝の構造に対する基礎教育が追いつきません。

 

そのような時代背景を持つ同時代の大人が、食事に対する基礎知識を学び合う場を持つため、このたび、私が主宰するヘルスフリーダムで、ダイエタリー・ヒーリング研究会を開くことになりました。ダイエタリー・ヒーリング研究会は、溢れる健康情報に振り回されることなく、自分に必要なことを自分で選択してゆける自立した健康消費者(ヘルスコンシューマー)を目指す皆様がたとともに、学び合っていきたいと考えています。

皆様からのご支援とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

また、研究会の開始時期より多大なお力添えとご協力をいただいております、有機野菜・食材のモアークの皆様に、この場を借りて御礼を申し上げます。